最新の医療と設備を駆使し、暖かみのある医療で地域の方々のお役に立てるように努力しております。

医療講演・メディア記事

なるほど健康講座06「学校、地域、家族ぐるみで生活改善」

大沼 寧 山形徳洲会病院 整形外科部長

学校、地域、家族ぐるみで生活改善

生活習慣病による死亡者数 山形県は生活習慣病による死亡率が全国2位という不名誉なデータがあることを知っていますか?
かつては「成人病」と呼ばれた高血圧症、糖尿病、高脂血症などの疾患は、運動不足、不適切な食生活、喫煙、過度の飲酒など生活習慣の・ゆがみ・が原因。これらの疾患は自覚を促す意味合いも込めて1996年から「生活習慣病」と呼ぶようになりました。

子どもにも忍び寄る生活習慣病

生活習慣病は今や大人だけの問題ではなく、子どもの患者も存在します。「小児生活習慣病」と呼ばれ、その数は増加傾向にあります。この背景には、利便性、効率化を追求した大人社会に引きずられ、子どもを取り巻く生活環境に乱れが生じていることがあげられます。

生活リズムを失った子どもたち

運動や外で遊ばない子どもが増え、体力は20年前から年々低下しています。1日平均歩数は30年前の4割以下に下がっています。
また食習慣のゆがみも大きくなっています。朝食を食べない子が増え、インスタント食品、ジャンクフードなど、甘いものや味の濃い食べ物ばかりを好む子が増えています。いつでもどこでも食べ物が手に入るので食事のリズムが不規則になっています。
テレビでは遅くまでアニメやバラエティーが放送され、遅い大人の帰宅、眠らないまち並みなど、大人の24時間社会に影響を受けて、子どもの就寝時間が遅くなったために成長にとって大切な睡眠時間が奪われています。
昔なら当たり前だった《良く遊び、良く食べ、ぐっすり眠る》という基本的なことが、今の子どもたちの生活から失われているのです。

一人ひとりが自覚を

子どもの生活を守ろうと、「早寝、早起き、朝ごはん」推進運動が全国で展開されています。
睡眠時間を十分に取ること。規則正しい生活を送ること。朝ごはんを食べること。これに適度な運動を加え、子どもの望ましい生活習慣を作ること。
これらは、本来、家庭内での教育が主体ですが、現代社会においては学校や地域ぐるみのサポートが不可欠になっています。
生活習慣病は子どもから年配の方まで、すべての人に降りかかってくる病気です。その予防は医療に頼るものではなく、一人ひとりが自覚を持って良い生活習慣を持つように心がけることが第一です。難しいことではありませんが、決して平易なことでもありません。
健(すこ)やかな心と体のために、ぜひ家族みんなで取り組んでください。

2007年(平成19年)4月27日 金曜日 第14号 6面より