最新の医療と設備を駆使し、暖かみのある医療で地域の方々のお役に立てるように努力しております。

医療講演・メディア記事

なるほど健康講座07「膝の話(1)」

大沼 寧 山形徳洲会病院 整形外科部長

膝が痛んだ経験は?

「膝を動かした時に痛みがおこる」「膝の曲げ伸ばしがつらい」――こんな経験はありませんか?
歩くたびに膝が痛むようなことになったらウォーキングどころじゃなくなりますよね。歩くことが億劫(おっくう)になり、外出するのにも二の足を踏んでしまうことでしょう。今号からは私たちの体を支える大切な膝についてお話します。

膝関節には2種類の軟骨

膝関節には2種類の軟骨が存在します。関節表面を覆っている硝子(しょうし)軟骨と、内外側にある線維軟骨(半月板)です。
硝子軟骨は表面がツルツルしていて、摩擦係数は驚くことに氷同士よりも小さいのです。このために関節がとても滑らかに動くことができるわけです。
半月板は硝子軟骨よりも柔らかい軟骨で、ゆがんでも元に戻る性質があります。複雑に動く膝の安定化と衝撃吸収という重要な役割を果たしています。

上手につき合いたい軟骨

膝の内視鏡写真 いずれの軟骨も加齢の変化を受け、年齢とともに磨り減ったり、もろくなって損傷を受けやすくなったりします。
神から授かったこの精巧でありながらも傷つきやすい軟骨には、それなりのつきあい方というのがあります。
軟骨は強い衝撃で傷つく一方で、刺激が少ないと弱くなる性質があります。ギプスなどの固定期間や荷重をしない期間に、軟骨の厚みは減少し、軟骨の質も低下することが知られています。このことから過度ではなく適度な刺激を与え続けることが、皆さんの軟骨を良質に保つことにつながります。
膝の痛みに悩んでいても、ただ安静にするのではなく、いたわりながらも使い続けることが大切なのです。
次回は「膝の痛みにグルコサミンやコンドロイチンは本当に効くの?」といった皆さんに関心の高いテーマについて講座を進めていきましょう。

2007年(平成19年)4月27日 金曜日 第14号 6面より